ガリレオの苦悩  東野圭吾

イメージ 1

ようやく見つけました~。それも地元の小さい中古屋です。灯台もと暗しでした^^;
あり得なさそうな事件を科学の力で解明するという、ガリレオシリーズ本来の面白さがつまっている短篇集です^^

探偵ガリレオ」「予知夢」「容疑者Xの献身」を読んだ頃には、湯川先生を福山雅治というイメージで読んだことはありませんでした。でも、ドラマ後は湯川=福山以外考えられないですねw だから、ちょっとした描写にもつい頬がゆるんでしまう自分を止められませんでした(*^^*)

「落下る」
内海刑事の鋭い視点と推理が最初から全開です。ドラマでもこれぐらい活躍してほしい気も…。湯川が内海と出会い、彼女のことを認める最初の事件です。
これは「ガリレオφ」で、若き日の湯川のエピソードとして使われていましたね。実験と検証こそ真実に至る道だと考える湯川の姿勢が感じられる内容です。

「操縦る」
湯川の恩師への思いが感じられるストーリーで、この本の中で一番好きです。トリックも驚きだし、犯人の動機や、自首をしなかったことなど、なるほど~そんな理由がと感心してしまいました。
「人の心も科学です。とてつもなく奥深い。」というラストの台詞もいいです^^
この話も「ガリレオφ」で使われていました。これほどいい話だったかな、と思って見直してみると、湯川と友永は無関係で事件の時初めて会ったように設定を変えられていたんですね。でも、最後の友永との会話がじんと来るところなので、ドラマで使われなかったのはもったいないと思いました。

「密室る」
あんなにクールで人付き合いもあまり良くなさそうに見えるのに、大学時代の友達多いですね^^;
事件を解明したものの、友達に関わることでもあり、複雑な心境をのぞかせる様子も。
結婚についての話や、やっぱり若い女の子が好きなの?と思わせる台詞の数々、気になる描写もありましたw
指先で宙に何かを書くしぐさが出て来て、おお~TVのガリレオ?!と思いました。

「指標す」
表紙のペンダントはダウジングで使うものだったんですね。ダウジングを信じる葉月の気持ちを大切にする湯川の台詞が素敵です^^けっこう人の心がよく分かるのに、なぜか女心をつかめないのが湯川先生ですね^^;

「攪乱す」
たったそれだけのことで…逆恨みもいいとこの犯人ですが、全く何の関係もないのに犯罪に巻き込まれることもあるし、こういうことも実際にあるかもなあ~と思いました。
ネットを使った手口も今の時代を反映してますね。
内海刑事の活躍が目立っています。なかなか動きもあるし、ドラマ化しても面白そうですね。
ラストの草薙との会話がユニークです^^ 人間としての自分の評判が実は気になっているかわいい湯川先生ですw

期待を裏切らない、大満足の一冊でした^^「容疑者Xの献身」もとても良かったけれど、私はやっぱり短篇の方がガリレオらしくて好きです。