踊るジョーカー  北山猛邦

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引きこもり気味の探偵音野順と、その友人の推理作家白瀬のコンビで事件の謎を解く短編集です。
このシリーズは米澤さんの「~限定」シリーズと同じイラストレーターの方が表紙と扉絵を描いてます。それがまず手に取った一番の理由です。ほわほわと柔らかい絵で惹かれるんですよね^^

音野の探偵としての素質を見抜き、表に出たがらない音野を何とか社会と関わりを持たせようと、白瀬がお膳立てをして探偵事務所を開くことになります。
音野の、消極的でおどおどしたキャラクターが面白いですね^^何かしてくるんじゃないか?と逃げる機会をうかがってる猫みたいな…どん、と側で足を鳴らそうものならピュ~~と飛んで行きそうです(笑)その足を鳴らす役が岩飛警部ですね^^;
白瀬も変なとこにこだわりがあって笑えます。事務所に買ったスタンドライトが安物だったことを後悔して何度もリフレインしていたり(笑)
全体的にクスッと笑えるポイントがあって、この作家さんのユーモアセンスは好きです。私と波長が合う気がします^^どーんと立派な所長机を買ったものの、来客用の椅子もなく、お客は床に座布団敷いて座らせるところなんか、想像するとおかしいです(笑)
ですが、ミステリとして肝心のトリックはかなりトンデモ系です。でも、これもユーモアの一部と考えればOKかも…^^;

「踊るジョーカー」
トランプだらけの部屋で、トランプが一組分刺さったナイフで殺人が。
これはもう絶対失敗しそうです^^;ナイフの手に入れ方が無理だし(絶対途中でどっか行きそう)そんなトランプがいっぱい刺さってるナイフなんて、目につきすぎるし。無理なんだけど、キャラと舞台設定が面白すぎるのでそれだけでOK(いいの?^^;)

「時間泥棒」
アナログ時計だけが次々に盗まれる事件が起こります。
神経質すぎるでしょう…どれだけ性能のいい機械なんだか^^;でも時間泥棒という発想は面白いですね。

「見えないダイイング・メッセージ
ダイイング・メッセージとして残された写真に、金庫を開ける番号が隠されているというのですが…。
犯罪の動機と手口は「…?」ですが、メッセージの残し方は今までにない発想だったと思います。音野兄が妙に明るく元気でしかも頭の回転も速くいい味出してます^^

「毒入りバレンタイン・チョコ」
たくさんあるチョコの中で1個だけ毒を入れたチョコを目的の人物に食べさせる方法とは?
うわ~トンデモ系(笑)いろいろ操作してる時点で「何やってるの?」とか絶対不審に思われそうです^^;それに、持ち運ぶ時に揺れたりしたらもうそれでアウトでしょう。

「ゆきだるまが殺しにやってくる」
道に迷って泊めてもらった洋館で殺人が起きます。遺体の側にはバールを持った雪だるまが。
大量の雪だるまを作るという設定がユニークです。トリックは金田一少年系の大がかりなもので、これは気に入りました^^
わけの分からない変な美術品の数々がおかしかったです(笑)

トリックはともかく、キャラクターとユーモアでじゅうぶん楽しめました^^
次の「密室から黒猫を取り出す方法」も図書館にあったので借りようと思います。





キャラクターとオモチロ場面がふんだんで、それだけでも十分楽しめましたよね^^。僕はトリックも理論的には可能であればどんなぶっとんでても小説の醍醐味として処理できるんで、このトリクスターぶりも好きでしたよ(笑)黒猫~早く読みたいです^^ 削除

2009/11/24(火) 午後 9:58 チルネコ 返信する
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キャラ、面白かったでしょう^^この設定は新しいよなあ、と感心しました。
トリックもユルくはなかったですし、好みのものがありましたね。
動機がいい加減すぎるのが大減点でしたが。 削除

2009/11/25(水) 午前 2:41 ゆきあや 返信する
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>チルネコさん
次はどんなトンデモトリックが?とかえってわくわくしてしまいました(笑)でも、いくつか「おお~」というものもあったし、次のシリーズも楽しみです^^ 削除

2009/11/25(水) 午後 7:34 ねこりん 返信する
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>ゆきあやさん
出てくるキャラがみんな良かったですね^^かけ合いも面白かったし~。
トリックは現実感なかったけど、発想は良かったと思いました。 削除

2009/11/25(水) 午後 7:49 ねこりん 返信する
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わたしもまずは表紙に惹かれて手に取りました。いいですよね、この方のイラスト。
トリックのとんでもなさもユーモアのひとつですね。トランプナイフがああなって…の部分は想像すると楽しいです(絶対失敗しそう^^)。
音野、白瀬、岩飛刑事のキャラと関係性が一番の魅力なので、このほんわかした調子で続編も楽しませてくれると嬉しいです♪TBさせてくださいね♪ 削除

2010/2/8(月) 午後 3:07 TEA♪ 返信する
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>TEA♪さん
絶対無理なんだけど、そこがまた面白い、という気持ちになる作品でしたね(笑)
メインの3人に音野兄を加えたキャラクターはとっても気に入ってます^^紅茶を飲みながら軽く楽しむにはぴったりかも。 削除

2010/2/8(月) 午後 6:42 ねこりん 返信する