流星の絆  東野圭吾

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ドラマが始まらないうちに…と大あわてで読み始めましたが、終わらないうちにドラマスタート…。クドカン調全開で、途中からだんだん見る意欲を失ってきたのですが、原作を読み終わると、これはもう一度第1回を見た方がいいかな~という気持ちになりました。

洋食屋「アリアケ」を営む家の3人の子ども達、功一、泰輔、静奈は、ペルセウス座の流星群を見るために真夜中家から抜け出したのですが、家に帰って両親が殺害されているのを発見します。泰輔は、家から出てくる男を目撃していました。しかし犯人は見つからず、それから14年の歳月が経ち、3人は静奈の美貌を生かし詐欺をして生計をたてていました。ある時ターゲットにした戸神行成の父親政行を見た泰輔は、それが14年前に見た男であることを確信します。しかし、静奈は行成の誠実さに心惹かれて…。

ネタバレありです。未読の方はご注意下さい。







犯人であることの証拠を示そうとする様々な工作は、やはり3人が人間不信になっていたからかなあと。
肝心の有明のレシピノートは取られずに手元にあるのです。行成が、レシピノートを見て「これはうちの料理と同じだ」とすぐに気づいたぐらいなのだから、まず警察に行って14年前に見た男が政行であることを話し、レシピノートを見せて、とがみ亭のレシピと同じであることを確認してもらえばよかったのでは…。とがみ亭の料理長にでも確認すれば、すぐに分かりそうなものです。正攻法で行けなかったのは、人に騙された経験や詐欺を働いている後ろめたさもあったのかも。

それにしてもずっと、犯人は分かっているのだから、彼を追い詰めることと静奈の恋心の絡まり合いが焦点だと思って読んできたので、この展開には驚きました。でも、登場人物が少ないので、この人じゃなかったらあの人しかないですね^^;
残りページわずかになっての急展開で、犯人を特定するためのヒントもわずかなのでその点がちょっと…^^;

行成が好感度高いキャラですね^^最後まで誠実で温かく、ラストシーンも素敵でした。指輪や「絆」という言葉の使われ方も気が利いてると思いました。
ドラマでは要潤さんが演じていて、要さんはわりと好きな役者さんなんですが、一回目では「ハヤシ」ライスをむさぼり食べる様子が印象的でした^^;

ツッコミどころはありますが読後感の良い作品ではあったので、ドラマでもそういうところを生かしてほしいのですが…。一応ストーリーは押さえているものの、激しく脱線してましたね~「カナダからの手紙」って… ^^;