完全犯罪に猫は何匹必要か?  東川篤哉

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回転寿司チェーンを経営する豪徳寺豊蔵が、自宅のビニールハウスの中で死体となって発見されます。ビニールハウスの出口には、いつもは豪徳寺家の門の側に置かれているはずの巨大な招き猫が。また、そのビニールハウスでは十年前にも殺人事件が起きていました。両方の事件の捜査に関わる砂川刑事と、豊蔵から飼い猫の捜索を依頼されていた探偵の鵜飼杜夫は、それぞれの観点から事件の真相に迫ります。

表紙も猫いっぱいで、物語も猫猫猫です。猫好きにはたまらない一作かも(笑)ただ出てくるだけじゃなく、動機やトリックで重要な役割を果たしています。それに、猫や招き猫についての蘊蓄もあります。

初東川作品でしたが、噂通り脱力系のユーモアが満載です。風邪をこじらせて体調が悪い中で読んだせいか、あまりのれませんでしたが…^^;
でも、二番目の殺人現場で目撃された怪しい人物情報が、すべて鵜飼とその仲間についてだったとか、必死に猫の鳴き真似をする鵜飼とか、けっこう面白かったです^^

あまりにお笑いが散りばめられているので、その中にさりげなく事件解決の伏線が隠されているのに全然気づきませんでした^^;あとから読み直してみると、ちゃんと書かれているんですよね~。
メインのビニールハウスの謎はよく考えられていると思いました。招き猫の果たした役割も、なるほど~です。こういう物理的なトリックは全く予想してなかったので素直に感心してしまいました。あと、歯ブラシが単なるネタじゃなくてちゃんと意味があったのにもびっくりしました。
最初はお笑い担当だと思っていた砂川刑事がなかなかの名刑事だったのは意外でした。刑事が解けない部分を鵜飼が推理するという協力?体勢もユニークでした。
味噌汁の謎は脱力系でしたが…^^;でも、「猫まんま」というシャレに“まんまと”ごまかされて肝心のところは見逃したのが悔やまれます(ん…だいぶ影響されてきたかも(笑))

動機に関わる猫の蘊蓄は猫好きにとってはたぶん周知の事柄ですよね。でもそれがそのまま動機につながっているとは思いませんでした。豊蔵の猫フェチぶりからすると予想してないといけなかったのですが…^^;
それにしても「三毛猫ホームズ」まで事件の解明につながってくるとは…。ダイイングメッセージの謎も、え?^^;と思うんだけど一応筋通ってるんですよね(笑)

この完全犯罪に猫は何匹必要か?読んで数えて見て下さい(笑)