コフィン・ダンサー  ジェフリー・ディーヴァー

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やっと長年の願いだったディーヴァーのライムシリーズに戻って来ました!
それにしても遡りすぎでしょ、っていうツッコミもあるかと思いますが^^;
なぜかと言うと…タイミングを逸したというのが正直なところです。読まずにいるうちにどんどん新作が出て、ますます手が出なくなったんですね^^;それと同様なシリーズが京極さんの妖怪シリーズです。
でもやはりここは、きちんと順番に読もうということで(短編集のライムシリーズは読んでますが)「ボーン・コレクター」以来の本作です。

棺桶の前で女性と踊る死神の入れ墨をしている、通称“コフィン・ダンサー”は凄腕の殺し屋です。武器商人に不利な証言をする予定の証人3人を消すために雇われます。その3人は航空運輸会社の社長とその夫、そしてパイロットで、飛行機に仕掛けられた爆弾によってまず犠牲者が…。
捜査中の事故により四肢麻痺になった、元NY市警科学捜査本部長であるリンカーン・ライムと、その助手の警官アメリア・サックスが綿密な科学捜査の下に犯人を追い詰めていきます。

いや~さすがです。空港での銃撃戦からドキドキの連続でした。アクションシーンも手に汗握りますが、それ以上に殺し屋との心理戦や微細な証拠物を分析して犯人に迫る様子にわくわくさせられます。
作者は弁護士さんですが、科学捜査、航空機の危機回避、どれをとってもディテールが細かすぎるほどで、どこの専門家と言われてもおかしくないです。

ディーヴァーと言えばどんでん返しで、もちろんこの作品でも健在です。怒濤の展開が待ち受けています。このどんでん返しのために、全体の8割が費やされているんですね~。
ちょっと疑ってもみたのですが…ここまで引っ張られると、あれ、関係なかったのかな?と思ってしまいました^^;
これ以上書くとネタバレになりそうです。
あと、私が読んだのは単行本ですが、帯もミスリードだな…と思いました^^;

このシリーズの面白さはキャラクターにもあります。
ライムは短気で気難しく、たぶん怪我をする前からそういう性格だったと思われますが、怪我をしてからそれに輪をかけた状態になってます。
アメリアはそんなライムとぶつかりながらも、彼の捜査力を尊敬し、それがだんだんと愛情に変わっていきます。しばらくつかず離れずみたいな状態で進むのかと思ってましたが、第2作にしてずいぶんと進展したものですね。驚きました。
偏屈なライムが、アメリアの無事を祈るように願い、素直に思いを口にするところにぐっと来ました。

リットー、バンクス、ベル、デルレイなど警察関係のメンバーも個性的でいい味を出しています。次作の「エンプティー・チェア」ではこの面々の名前が人物紹介に載っていないのがちょっと寂しいです。

読み終わってみると、このあとまだまだ読める作品が控えていることが嬉しくてたまりません^^近日中に、次作に取りかかりたいと思います。