ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと消えない絆~ 三上延

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思わせぶりなプロローグから始まった第三弾です。


第一話は「たんぽぽ娘
ヒトリ書房の店主が買った「たんぽぽ娘」が行方不明になり、店主は何と栞子さんを疑います。
古書市場での取引の様子が書かれていて興味深かったです。
それにしても、ヒトリさんは栞子さんの母親との間にどんな確執があったんでしょうね。娘まで嫌うって…。
ドラマのこの回を観て、久しぶりに本棚から「たんぽぽ娘」を出して読み直しました。原作とドラマのおかげで、人気がとんでもないことになったんですよね。
たんぽぽ娘」の物語のロマンチックさは、確かにプレゼントとしてぴったりかも。

第二話は「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」
本の題名を見つける話なので題名はナイショです。
タヌキに似た主人公…って一瞬ラスカルかと思いました^^; でもワニは出てこないですね(笑)
主人公のキャラクターが変わったっていうのは初めて知りました。
「なかよしの家」のエピソードが良かったです。
しのぶと母親の確執が、栞子さんのそれに重なります。

第三話は「春と修羅
宮澤賢治の詩集「春と修羅」の初版本が盗まれます。犯人は持ち主の兄と兄嫁のどちらかなのでしょうか。
賢治が初版本を推敲し続けたことをトリックとして利用しているのが巧いです。
「眞空溶媒」タイトルに惹かれてネットで読んでみましたが、散りばめられた化学用語と色彩豊かな言葉が美しい!長野まゆみさんが賢治にどれだけ影響されているかがよく分かりました。


エピローグ読んで、やっぱりそうだったか…と。母親と連絡取ってそうな人って、この人しかいませんよね。しかも本まで(笑)
でも、文体ががらりと違うっていうのはちょっとどうかなと^^;
ドラマでは早くから登場してましたが、栞子さんの母親、4巻でついに登場するようですね。
謎の多いキャラクターですが、その秘密が少しは解き明かされるのか、楽しみです。

そして大輔…がんばって!