ようこそ、わが家へ  池井戸潤

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もうすぐドラマが放送されますが、池井戸さんの本の中ではわりと取っつきやすいかな?と思ってキープしていた本でした。
半沢直樹」は夢中になって観ていましたが、基本お仕事ものって苦手なんです^^;

銀行員の倉田太一は、電車で注意をした男から逆恨みされ、花壇を荒らされるなどの嫌がらせをされます。しかも手口はさらにエスカレート。倉田は息子の健太とともに、犯人を追い詰めます。
並行して、倉田の出向先の会社で行われている、IC基盤製作用ドリルの取引に関わる不正についてのストーリーが語られます。

ドラマと同じくらい池井戸さんは読みやすいですね。特に関心がないジャンルでも、引き込まれるのが不思議です。

ここからネタバレありです。










倉田家、いろんな人から狙われすぎでしょ^^;
そもそもの電車男と、健太の同僚、倉田の妻の珪子が入っているサークル仲間、3つの嫌がらせが同時進行とは…しかも刺されるとか、盗聴器とかけっこうなハイレベル。
その上会社ではドリルの事で同僚や社長と渡り合って…普通なら精神的に参ってしまいそうです。でも、周囲に支えられて前向きにがんばる様子に声援を送りたくなります。
半沢ドラマの時も、仕事で毎日こんな感じだったら倒れるな…と思いながら観ていましたが。
半沢と比べると、かなり小市民的で普通っぽく、身近に感じられるタイプですね。

若干不自然な設定を割り引いても、「読ませる」というのはすごいことです。
不正の手口を明らかにする過程はスリリングで、先が気になって仕方がなかったです。

今回のドラマでは、電車の出来事は倉田ではなく、健太に起きたことになっていますね。主役が倉田ではなく健太なので、見せ場が多くなっているようです。

内容が二本立てで、飽きずに読めましたが、銀行、企業一本だと、自分にはどうなのかな~と。「空飛ぶタイヤ」は気になっているのですが。