リバース  湊かなえ

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先日から始まった、藤原竜也さん主演ドラマの原作です。ひさびさに、一日で本を読み終わりました。

深瀬和久は、珈琲を上手に入れることが唯一自慢の、平凡なサラリーマンです。
なじみの珈琲店で出会った美穂子とつきあい始めますが、彼女の元に「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた手紙が届きます。

深瀬が過去を美穂子に告白する形で、事件について語られます。
深瀬は大学のゼミ仲間である、広沢、浅見、谷原、村井と、村井家の別荘に遊びに行くことにします。それなりに楽しく過ごしていたのですが、そんな中、広沢が事故を起こして亡くなり、彼らは秘密を共有することに。そして3年が経ち…。
深瀬は、「人殺し」と告発する手紙が、4人全員に届いたことを知ります。

自分に自信がない深瀬にとって、広沢は大学でたった一人の親友でした。しかし、告発文のことから広沢について調べるうちに、ほとんど彼について知らなかったことに気づきます。

驚くのは、広沢の周囲の人間が、広沢に依存していることです。人当たりがよく、頼りにされ、頼まれると断らない優しい人間。でも、本当の広沢自身のことはよく分からず、広沢を中心として浮き彫りになる周囲の人間模様は、朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」で最後まで登場しない桐島と、その友人達のようです。

広沢の死の真相については、実は始めの方で予想がついてしまったのですが、あとは「それ」が何に入っていたのか、を考えながら読んでいました。旅行中の場面を丁寧に描いていたのも、なるほどと思いました。
告発文の犯人については卒業アルバムのくだりになるまで分からなかったです。

それにしても、やや明るい兆しが見えてきた、と見せてこの幕切れ。予想しててもショッキングでした。やはり湊さんですね。

読んでみると、広沢って鈴木亮平さんぽいイメージですね。大学生には見えないかもだけど…。

ネタバレです。未読の方はご注意下さい。











蕎麦が、重篤な症状を引き起こすことがあることは有名なので、蕎麦が含まれる食品を、売り場でそれを買う人が気づかないような表示をしているとは思えないです。
また、喫茶店の人が、蜂蜜をなめさせるのに「蕎麦アレルギーはない?」と確認しないのもおかしいです。
蕎麦を出してくれた広沢の母が「お蕎麦は大丈夫?」と聞いたのは、息子がアレルギーだったので、それを心配していたのだと思いましたが、身内にそういう人がいなくても、食品を扱う人なら分かってないといけませんよね。
ラストの衝撃のためにあえてそういう書き方をしたのでしょうが、不自然だなと思いました。
ドラマ、ラストでやっぱり藤原竜也は叫ぶんでしょうか…。