穢れの町  エドワード・ケアリー

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第一巻「堆塵館」がとんでもないクリフハンガー状態で終わって、次が読みたくてたまらなかったのですが、読み終わってすぐに2巻が出たので良かったです^^
今回の舞台は、ルーシーの故郷フィルチング。ごみで汚染されたその町は「穢れの町」と呼ばれています。

前作で物に姿を変えられてしまったクロッドとルーシーは、それぞれ違う運命へ。
十シリング金貨になったクロッドは、様々な人の手を経て、「仕立屋」と呼ばれる殺し屋の元へ行くことになります。
クロッドが身につけた、物に話しかけて行動させる力は、これからクロッドとルーシーにとって大きな味方になってくれそうです。

一方ルーシーは陶製のボタンになり、ごみの堆積所である屑山に埋もれるようにして生活し、体中にごみをくっつけているビナディットと出会います。
ビナディットの外見はかなり恐ろしい感じなのですが、臆せず接するルーシー。前向きな彼女のおかげでビナディットも屑山から出る決心をします。
後に屑山の壁が崩れそうになる時、穢れの町のみんなを助けようとアイアマンガー達と対決する姿は凜々しく、迫力がありました。
ところでこのビナディットの正体は…!?驚きの展開が待っています。

クロッドとルーシーが惹かれ合う力って、ほんと運命的なものを感じますね。二人の思いが純粋すぎて、切なくなってしまうほどです。
出会ったり、また離れたりと翻弄される二人ですが、きっとまた手を取り合って行動できる日が来ると思います。

それにしても物に変わる法則って何なのでしょうね?クロッドの祖父にその力があることは分かりましたが…直々に手を下されたクロッドとルーシー以外にも、大勢の人々が物に変わっています。特に何もしていないのに目の前でチーズおろし器になったりして…。
人間に戻るのも、ランダムなんでしょうか。
でも、ここはケアリー流「不思議の国」なので、何でもありなのかも知れません。

アイアマンガー一族に反旗を翻したクロッドとルーシーの今後の戦いぶりが楽しみです。