第四の扉  ポール・アルテ

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語り手のジェイムズと、ジョン、ヘンリーの三人は、家も近所で、家族ぐるみの付き合いもある親友同士です。
ジョンの母が、家の中で不審死するという事件が昔にあり、家には幽霊が出るという噂も。ジョンの父ヴィクターは妻のことが忘れられず、降霊術のできるラティマー夫妻を家に住まわせます。
そのうちにヘンリーの父アーサーが襲われ、ヘンリーが行方不明になるなど、次々に事件が起こります。

軽業や手品に興味を持っていた人物がいること、これより少し前の時代に一世を風靡したフーディーニなど、これらが謎に絡んでけれん味たっぷりに語られます。

古風な雰囲気のあるオカルト趣味な舞台設定、実際、時代設定も第二次世界大戦の十数年後のようです。あり得ない部屋に遺体が出現する密室トリックといい、ジョン・ディクスン・カーを彷彿とさせますが、それもそのはず、作者がカーの大ファンで、本当は自作にフェル博士を登場させたかったけれど、許可が取れなかったのでツイスト博士を登場させたのだとか。

不思議に思っていたのは、探偵役のはずのツイスト博士がなかなか登場せず、代わりにドル―警部が事件の謎解きをすることです。

そして、8割方進んだ時、物語はがらりと様相を変えます。ほんとに驚きましたが、それはどちらかというと残念な驚きでした。登場人物への思い入れを返して!と思ったので。
ですが、驚きはこれだけでは終わりません。ツイスト博士の解決は、この驚きを超える物でした。

とにかく最後まで読んで、としか言いようがありません。事件のトリックそのものよりも、物語に仕掛けられたトリックに驚いた作品でした。



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な、なつい。ポケミスで読みました。復刊?文庫化?このツイスト博士結構好きでした。 削除

2018/10/11(木) 午後 4:05 ゆきあや 返信する
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>ゆきあやさん

文庫化ですねー。本屋でめっちゃ平積みになってたので気になって。
他のツイスト博士シリーズも読んでみたいです。 削除

2018/10/11(木) 午後 7:09 ねこりん 返信する