聖女の救済  東野圭吾

イメージ 1

ドラマ後初のシリーズ本なので、頭の中の映像は完全にドラマのキャストで進んでました。でも、違和感なくてよかったです^^

子どもができない事を理由に離婚を言い渡された真柴綾音は、夫の毒殺を実行します。
しかし、彼女は夫が死んだ時には北海道の実家に帰っていました。どのような方法で毒を盛ったのか?それが最大の謎になっています。

読み終わって思ったのは、湯川が言うように「理論的には考えられても、現実的にはありえない」ということでしょうか^^;
女性を子どもを生む道具としか思っていない真柴(夫)はサイテ~な人間ですが、「一年間子どもができなかったら別れよう」なんて言いだす男と、いくら愛していたからと言って、結婚するでしょうか。まずそこが納得できません。彼の気持ちを変えることができると思っていたのかもしれませんが、そうは思えない前例があり、彼女はそれを知ってたわけですよね。「自分だけは…」と思ったのでしょうか。でも、その後に彼女が賭けに出たことといい、どうも女性として理解しがたいです。
「救済」の意味はなるほどと思いましたが、そんな風にして生活することははっきり言って無理かと…^^;まあ「やりとげた」と言われたら「そうか…」と言うしかありませんが。かえってリスクの大きい方法のように思うし、彼女ほど頭の良い人なら、もっと他の方法も取れたように思うのですが…。パッチワーク作家っていうのも彼女の忍耐強さを表してるんでしょうか。
でも、このトリックに驚いたことには間違いないです。今回叙述トリックも使われてるんですね~。それにも驚きました。

福山雅治の曲を聞くくだりでは、今まで湯川=福山雅治で読んでたのに、ちょっと混乱しました^^;二回も出てきてサービスしすぎですねw
今までのガリレオシリーズの細かい所がちょっと思い出せないのですが、湯川の子ども嫌いや、美人好きは今回初出なのかな?ドラマの湯川とかなり共通点が見られました。
内海は前の本には出てなかったので、ドラマの登場人物を登場させたのかと思ってましたが、どうやらドラマ化の前に、もう原作での内海刑事の登場は決まってたみたいですね。ドラマの内海が、わりと湯川に頼りっぱなしだったのに対して、原作の内海は自分で推理を組み立てる切れ者という感じがしました。
あと栗林さんが出れば完璧ですねw(作品の雰囲気変わりそう^^;)

草薙と湯川が気まずくなってるのは短編の方が関係あるのでしょうか。草薙は今までいい人キャラぽかったけど、今回は恋心のせいか、かなり雰囲気変わってますね。でも、内海と草薙、それぞれが違う方法で事件にアプローチしていくところはなかなかの見所でした。

ガリレオの苦悩」はかなり評判いいみたいですね。早く読みたいです^^