ST 警視庁科学特捜班 黒の調査ファイル  今野敏

イメージ 1

赤の調査ファイルに続き、今回は黒。というわけで、黒崎が中心の物語です。

歌舞伎町界隈で頻発する謎の火災。火元が何もない部屋から火事は起きていました。
STは、原因を探るよう指令を受けます。
この事件とは別に、詐欺でお金をだまし取られた男が、中国マフィアの名前を拝借して報復を企むというストーリーが並行します。このグループに、なぜか用心棒として黒崎が参加します。

ドラマでは窪田正孝くんが演じていた黒崎ですが、原作の黒崎が180cm以上ある筋肉隆々の巨漢ということで、驚きました。窪田くんも確かに細マッチョではあるのですが…。ドラマの黒崎が物静かな青年というイメージなのに対し、原作の黒崎は外国の山で修行してきた僧のような雰囲気。本物の僧は他にいますが…^^;

黒崎は、火事現場で人間ガスクロと呼ばれるほどの特殊な嗅覚を活用して原因を探るだけでなく、素晴らしい身体能力を生かして中国マフィアからグループを守ります。
しかもすごい勉強家なのですね。STのメンバーは多かれ少なかれそうなのでしょうが。

中国マフィア同士の抗争ということで、苦手な設定ではあるのですが、物理学を専攻したインテリマフィアとの対決という、翠の専門が生かせる展開になっていて、なかなか楽しめました。

トリック自体はガリレオにあったものと似ていて新味はなかったけれど、STのメンバー同士や、刑事とのやり取りが相変わらずいいですね。
科学特捜班なので、法医学、化学、物理など私が好きな理系ミステリが今後も読めるのが楽しみです。