火村英生に捧げる犯罪  有栖川有栖

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ドラマ化されるということで、ひさびさに読んだ有栖川さんです。
英都大学社会学部准教授の火村英生、その友人で推理作家の有栖川有栖のコンビで、「作家アリスシリーズ」と呼ばれています。
斎藤さんの火村も良いと思いますが、私が期待してるのは窪田くんのアリスです。イメージぴったりなんですよね。
でも本作はドラマ原作ではない…と思います。短編5編と、10ページほどの掌編3編で構成されています。
特に印象に残った作品を紹介します。

「長い影」
足に怪我をしてベッドから動けない男は、窓から不審者を目撃しますが、出てきた廃工場で遺体が発見されます。
「裏窓」のようなオープニングです。ハラハラするサスペンスはないものの、ある人物同士がつながる驚きの展開がいいです。
おなじみの刑事たちが総出演なのもシリーズファンには楽しいですね。

「あるいは四風荘殺人事件」
2人の男が屋敷の離れで殺されます。母屋と3つの離れをつなぐ、雪の上に残された足跡。しかし犯人の姿はかき消えていました。
綾辻さん風、館もの。他にもちょっとした仕掛けがあって楽しめます。
妙にきれいな弧を描いた足跡、変だとは思ったんですよね…でもさすがにそこまでは考えませんでした。

「火村英生に捧げる犯罪」
大阪府警に、火村を挑発するような犯罪予告が届きます。一方でアリスの元には、盗作を疑う電話がかかってきます。
タイトルにもインパクトがあり、この2つの出来事がどのようにつながるのか…と期待させる雰囲気でしたが、ちょっと拍子抜けでした^^;
作者もタイトルについて後書きで言い訳してる?感じでしたね(笑)

「雷雨の庭で」
隣人同士のトラブルがあった家で、言いがかりをつけていた男の方が死ぬ事件が起こります。犯人は、隣の家の放送作家だと思われましたが、pcを通して顔を合わせて打ち合わせをしていたコンビ作家は、彼がpcの前から離れていた時間はほんの数分だと話します。わずかの時間に犯行を行う事は可能なのでしょうか。
なるほど…と納得のトリックです。あちこちに散らばった伏線も見事に回収されてました。

「長い影」と「雷雨の庭で」が特に読み応えがありました。火村とアリスのちょっとした会話に、相変わらずいいコンビだなと嬉しくなりました。
最新作の「鍵のかかった男」は作家アリスシリーズですが、ベスト10を賑わわせているようで気になっています。



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読んだんですがなぜかウチに記事がなかった。。。なかなか良い作品集だったのではないかと。ドラマ楽しみですよね!アリスがハンサムすぎて恥ずかしいですがw演技派の窪田くんなので期待しています。斎藤工さんもなかなかビジュアル的にはハマるのではないかな。 削除

2015/12/25(金) 午後 5:24 ゆきあや 返信する
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>ゆきあやさん

面白かったです^^でも実は火村より江神の方が好きなんですが…^^;
窪田くん好きなので、アリスをやってくれて嬉しいです^^火村は今演じるなら確かに斎藤さんしかいないかも。 削除