鍵のかかった部屋  貴志祐介

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防犯コンサルタントの榎本径、弁護士の青砥純子がコンビを組む、防犯探偵シリーズ第3弾です。
帯に「この4つの密室トリックをあなたは解くことができるか?」
とありますが、解ける人がいたらびっくりだと思う、高度なトリックが展開されます。
 
「佇む男」
葬儀会社の社長が別荘で亡くなっているのが発見されます。
遺体は部屋の唯一の出入り口であるドアにもたれて、ガラステーブルとの間に挟み込まれるように座っていて、ドアを動かすことは困難でした。犯人はどのようにして部屋から脱出したのでしょうか。
最初立っていたらしい遺体がなぜ座ったのかについてはなるほどと思いました。でも、こういうトリックなら榎本より、純子の方が先に気づいても良さそうですが^^;
あと、ハエについてはあとから入ったという根拠は薄いように思いました。
 
鍵のかかった部屋
5年間の服役から戻ってきた会田は、愛する甥と姪を訪ねます。しかしその日、甥は目張りされた部屋の中で、練炭による一酸化炭素中毒で亡くなっているのが発見されます。
径は、ドアを目張りし、鍵をかける方法を発見できるのでしょうか。
犯人の特性を生かして科学的なトリックにひたすらこだわったところがいいですね。ただ、理論的には可能でも、実際は目張りしてもかなり難しそうですが…。
紙テープを部屋に飾り付けた理由が密室トリックにこう関わってくるとは思いませんでした。
いくつものトリックが使われているのがすごいです。4つの作品の中で一番感心させられました。
 
「歪んだ箱」
欠陥住宅に入居させられそうになった男は、返金に応じない施工業者を殺します。地盤沈下によって歪んだ家のドアは内側から無理やり閉められた状態で、出入りできなくなっていました。
これも、犯人の職業にちなんだ物を使っているのですが、これを欠陥住宅という舞台設定と絡めて密室トリックにしているところが変わっています。
純子は大ボケとまで言われてますが…^^;確かに弁護士としてこんなに浅薄な推理ではまずいでしょうね^^;
 
「密室劇場」
「狐火の家」所収の「犬のみぞ知る」に出てきたあの劇団が再登場です
前回以上のドタバタ劇が展開されますが、悪ノリのしすぎで笑うのは難しいです^^;前回も面白かったのは径と純子のかけ合いで、劇団は完全にスベッてましたが…^^;
純子が展開したスピードについてのあり得ない推理も、真相に一応つながってはいたんですね…(笑)
貴志さんは劇団のメンバーが気に入っているようですね~。これからも出てきそうです(笑)
それとドラマに劇団が出てくるかが気になります。かなりドン引きすると思うのですが…^^;
大ちゃんにはクールな探偵を演じてもらいたいので、ドタバタは遠慮したいです(笑)
 
4つの作品のうち、始めの3つは犯人は明らかで、密室の謎だけを解くタイプになっています。密室トリックの可能性を追求したと言える内容で読み応えがありました。

貴志さんは径と純子の恋愛路線はあきらめたのか、すっかり径ツッコミ、純子ボケという関係に収まっているようです(笑)
前回は純子が活躍する事件もありましたが、今回は残念ながらそういう場面はありませんでした。ちょっとかわいそうだったので、次はぜひ活躍させてあげてほしいです。
あと、シリアスとドタバタの落差が激しすぎるので、始めの路線に戻してもらえたら…と思います^^;

こんばんは♪

ついに読破されましたねぇ(^-^)
タイトルになっているだけあって,やっぱり「鍵のかかった部屋」でのトリックが一番興味深かったように思いました.
謎を解き明かしていく径を智くんがどう演じるのか,どんな表情を見せてくれるのかとても楽しみになりました☆
恋愛要素も控えめなのが安心材料にはなりましたしね♪

だけど,例の劇団は映像化しないでいただけるとありがたいなぁ・・・なんて思ってしまいました^^; 削除
2012/3/5(月) 午前 1:38 ろーたす 返信する
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>ろーたすさん

タイトル作のトリックはすごかったですね~。こういう発想、どこから来るのでしょうか

こないだ潤くんとのラジオを聴いたら、また台詞が多いって話をしてました^^;やっぱり専門用語が大変みたいですね。

劇団が出てくると、雰囲気全く変わってしまいそうですよね 削除
2012/3/5(月) 午後 6:38 ねこりん 返信する
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ドラマはどんな感じになるんでしょうね。正直、榎本のイメージは全く大野くんとは重ならないのですが・・・。櫻井君の時みたいに、何回か観ると慣れて来るといいのですが。大野くんが榎本だと、コミカルな感じになりそうな気がしますね(苦笑)。 削除
2012/3/5(月) 午後 11:18 べる 返信する
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>べるさん

ドラマがどういう路線で来るのか気になるところです^^;
大ちゃんはその役に完全に入り込むので、シリアスなら完璧にシリアスに演じられますよ^^
ドラマ「魔王」がオススメです♪って、本の感想から完全に離れちゃってますね(笑) 削除
2012/3/5(月) 午後 11:29 ねこりん 返信する
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鍵のかかった部屋」は 理科の先生が犯人だけあって すごく論理的で なんだか短編のガリレオシリーズの様だなぁって思いましたv
この本の中で 一番 なるほどなぁって感心したトリックでした。

劇団は・・・ なんだか皆さん不評の様子。
私は 気に入ってるんだけどなぁ。
特に 逮捕されちゃった 飛鳥寺さんを映像で見た~い!
「ラキセ」の真壁リュウの様な 谷原さんなんて いい感じじゃない(^皿^)” 削除
2012/3/24(土) 午後 4:09 tammy 返信する
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>tammyさん

タイトル作のトリックには感心させられますね~。
確かにガリレオに通じるものありました。

飛鳥寺、谷原さん的な雰囲気ですよね(笑)
本の中で劇団はまあ仕方ないけど、ドラマに出てくるとクールな径くんが…^^; 削除
2012/3/25(日) 午後 8:18 ねこりん 返信する