首折り男のための協奏曲  伊坂幸太郎

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タイトルから、首折り男の連作短編集なのかなと思っていましたが、首折り男が出ない作品もあります。「首折り男の周辺」と「合コンの話」は既読でした。

「首折り男の周辺」
よく似た男の片方は殺し屋、片方は気弱な男…。この2人の関わりと、2人に関わった人達の変化を描いています。伊坂さんらしいエピソードのつながり方と、明るく前向きなラストがいいです。
でも、大事な登場人物を惜しげもなく使っちゃってますね^^;伊坂さんの他の作品でもよくあることですが。

「濡れ衣の話」
子供を交通事故で亡くした男が復讐を果たします。そこへ刑事らしき男が現れますが…。
ある人物の背景が分かる、サブストーリー的な内容です。
濡れ衣って、そういう前向き?な意味合いだったとは意外です。

「僕の舟」
おなじみの黒澤が、「首折り男~」で登場した老夫婦の妻から、昔の恋人を探すように依頼される物語です。
「水兵リーベ、僕の舟」懐かしいですね^^
元素記号を覚えるにしては愛らしいこのフレーズにぴったりの、素敵な物語です。
あり得ない偶然も、この物語では、“やっぱりそうでないとね”と嬉しい気持ちになってしまいます。

「人間らしく」
不倫調査を頼まれた黒澤の物語と、いじめられている少年の物語が交互に進みます。
直接関わることがない2つの物語ですが、クワガタ飼育の物語を介して、思わぬつながりを見せます。
こうして書いてみてもわけが分かりませんね^^;それぐらいユニークな展開です。

「月曜日から逃げろ」
黒澤は、盗んだ絵を持ち込まれた男から、元の場所に返すように頼まれます。
びっくりする技巧的な作品でした。この作品で挙げられていた映画のうち、一番最初のは観てましたが、オリジナルではさっぱり意味が分からず、DVDに所収だった別バージョンを観て、やっと分かりました。
本作も読み直すとよく分かります。

「相談役の話」
山家清兵衛さんって実在の人なんですね。伊坂さんのあとがきを読むと、これはホラー?何だかいきなり終わってしまいましたが、このあとまだ続きがあってほしかったです。

「合コンの話」
クノーの「文体練習」的な作品を書きたかったということで、凝った構成になってます。
「首折り男~」とリンクしています。
合コンをここまで多角的に見た小説はないのでは(笑)ラスト、それまでの雰囲気をすべて押し流す気持ちの良い展開が、さすが伊坂さんでした。このシーンには音楽好きなあのキャラも登場です♪

「僕の舟」と「合コンの話」が特に好きです。
帯に「ネタ」のアンサンブル、と書かれてましたが、確かに、いろんなパターンの物語があって楽しめました。
黒澤が出ている話が多くて嬉しかったです。黒澤は相変わらず、クールなようでいて、巻き込まれ型ですね(笑)そこがお気に入りなんですが^^



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なんか面白そうですねー。でも「おなじみの黒澤」が分かりません…><最初の頃の作品が未読なので、そっちからまず読まなきゃかな…? 削除

2014/3/5(水) 午後 5:09 [ sinobu ] 返信する
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新刊出ましたか。シリーズものというかスピンオフなのかしらん。早く読みたいっ。 削除

2014/3/6(木) 午後 0:49 ゆきあや 返信する
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>sinobuさん

黒澤は、伊坂作品で間違いなく人気1位のキャラだと思います^^
伊坂さん大好きなのですが、私もまだ読み逃してる作品があるんですよ^^;
いつかコンプリートしたいと思ってます^^ 削除

2014/3/6(木) 午後 8:10 ねこりん 返信する
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>ゆきあやさん

殺し屋の話ではあるけど、「グラスホッパー」とのつながりはあまり感じられませんでした。
首折り男はインパクトあるキャラだけど、それよりやっぱり黒澤!です^^ 削除

2014/3/6(木) 午後 8:16 ねこりん 返信する
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既読の作品が三編ありましたが、これらをリンクさせて一つの作品に纏め上げる伊坂さんの手腕に感心させられました。
他の作品とのリンクもいつもながらに素晴らしい。
私も「僕の舟」と黒澤さん、大好きです♪
トラバさせてくださいね(*^^*) 削除

2014/4/13(日) 午後 6:26 金平糖 返信する
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金平糖さん

「僕の舟」素敵な話でしたね^^
伊坂さんがすごいのは、初め関係のない短編でも、本にまとめる時はリンクさせてしまうというところですね。
黒澤が大活躍で、嬉しい短編集でした^^ 削除

2014/4/13(日) 午後 10:43 ねこりん 返信する