ノーサイド・ゲーム  池井戸潤

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スポーツ物も企業物も苦手で原作を読むか悩んでいたけど、ドラマの第1回を見て、2回目を待ちきれずに読み始め、遅読の自分にも関わらず2日で読み終わりました。

トキワ自動車の経営戦略室次長の君嶋は、上司の滝川が主導する巨額買収案件に異を唱えた後に、横浜工場に左遷される。その上、会社のお荷物と呼ばれる弱いラグビーチームアストロズのゼネラルマネージャーを兼任することになる。
全くラグビーについては素人だが、経営のプロである君嶋は、アストロズを立て直すことができるのか…。

ラグビーシーンが本気なので、もしドラマを観ていなかったら読み飛ばしていたかも知れません。でも、ドラマのおかげでイメージが湧きやすく、ルールがよく分からないなりにも、その迫力と息詰まるような熱戦に、サポーターの一人になったような気持ちで読むことができました。

何より、君嶋のアストロズ再建にかける思いが熱く、それを受け止めたチームメンバー達との関わりがまた胸熱です。そして、新監督柴門の采配がチームとかみ合っていく様子も胸がスカッとします。
そうだ、池井戸さんの本ってこうだったよね、と、「空飛ぶタイヤ」を読んだ時の感動を思い出しました。

私はドラマで滝川を演じている上川隆也さんのファンで、ドラマを観始めたのもそれが大きかったのですが、原作の滝川が単なる敵役ではなくとても魅力的な人物だったことも大満足です。

読んで良かった、と心から思います。ドラマを観ている人にも、観ていない人にも、スポーツ苦手な人にもお勧めの一冊です。