Story Selller 2

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vol.1の面白さに、見つけて即買いしたvol.2です。
執筆陣はほとんど同じですが、今回は沢木耕太郎さんの作品が載っています。「こうたろう」2人の名前がばーんと大きいですw 道尾さんの作品がないのは残念>< vol.3があったら戻って来てほしいなあ~。

「マリーとメアリー」 沢木耕太郎
これだけがエッセイです。有名なカクテル「ブラディ・マリー」についての蘊蓄が披露されています。村上春樹さんの話が出てきたのはちょっと嬉しかったです^^沢木さんは村上さんのエッセイを買って読んだりするんですね~。

「合コンの話」 伊坂幸太郎
クノーの「文体練習」的な作品を書きたかったということで、構成がユニークです。
vol.1の「首折り男の周辺」とリンクしています。合コンでの人間模様を描いていますが、途中の下世話な展開がすべて押し流されるような気持ちの良い終わり方は、さすが伊坂さんです^^

レミング」 近藤史恵
サクリファイス」のサイドストーリーです。チーム・オッジのエースである石尾は、レース中のトラブルで失速することが続きます。その原因とは?
vol.1の「プロトンの中の孤独」と同じく、石尾の人柄が感じられる爽やかな内容です。

「ヒトモドキ」 有川浩
同居することになった父親の姉に悩まされる一家の話です。こういう人は実際にいるでしょうね。あそこまで大変な目にあっているのに、最後にああいう感情が持てるものなのか、そこが血のつながりなんでしょうか…。

「リカーシブル―リブート」 米澤穂信
血のつながらない弟に愛情が持てなかったハルカは、ある出来事をきっかけに弟への気持ちが変化していきます。
急に終わったような気がしましたが、やはり長編の冒頭部分を短編に仕立てたものでした。この後どういう展開になるのか楽しみです。

「444のイッペン」 佐藤友哉
ペット博で忽然と姿を消した444匹の犬たち。どうやってどこへ消えたのか?
前回と同じく、土江田が主人公です。唐突にはさまれる暴力的な表現や、蛇足にも感じる過剰な表現は相変わらずですが、今回は内容的にはなかなか読ませるなという感じがしました。事件の動機は「…?」でしたが、土江田についての謎も浮かび上がってきて、ちょっと気になるシリーズになりつつある…かも?w

「日曜日のヤドカリ」
「ここじゃない場所」の続きかと思っていたので、ちょっと拍子抜けしました。
母親の再婚で親子になった父親と弥生の周辺で起こる出来事と親子のありようを描いています。丁寧語でしゃべる2人ですが、それほどよそよそしい感じがなく、ほんわかした雰囲気が漂っています^^

今回は伊坂さんの作品が一番心に残りました。伊坂さん、近藤さん、佐藤さんの作品はvol.1と関連したものでしたが、この企画だけで会えるキャラクターというのも面白いと思うので、本多さんのも前のシリーズで続けてほしい気がします。vol.3はまた1年後に出るのでしょうか。楽しみです^^