植物図鑑　　有川浩

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ある日さやかは家の前で、空腹で行き倒れた青年に出会います。
「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」
犬のようにぽんと前足ならぬ丸めた手を乗せた面白さに、つい家に連れて帰ってしまいます。翌朝彼が作ってくれた朝ご飯に感動して、さやかは同居生活をもちかけます。その青年イツキ(樹）とともに、野草を採って一緒に食べる楽しさを中心に展開するキュートなラブストーリーです。

ボーイミーツガール、いえこの場合はガールミーツボーイでしょうか、そんな行動若い女性が絶対しないだろうな～というおとぎ話系出会いなのですが、いいんです、そんなこと！もう、直球ど真ん中に入りました(笑）

まず、心惹かれたのは装丁です。愛らしいイラストに、「植物図鑑」という題にふさわしく裏表紙に並んだ野草の写真が素敵です。章ごとにも、章のタイトルと同じ野草の白黒写真が載っています。中古で出るのを待ちきれずに買ってしまったのも、この装丁を見たからです。きれいなままで買いたい！という気持ちの表れです(笑）
前に記事で書いたことがあるのですが、私は小さい頃から図鑑を愛読していて、いろいろな図鑑をそれはもう穴があくほど眺めていました。その頃覚えた名前は今でも忘れずにいる物が多く、道端の普通に見る野草なら、だいたい名前を言えるという特技？を持っています。家族で野草摘みや山菜採りに行った思い出も多いです。それでこの本に並々ならぬ親近感を覚えてしまったんですね＾＾

ハウスキーパーとなったイツキは節約上手の料理上手で、野草を使っておいしい料理を作ってくれます。さやかは週末にイツキと一緒に野草を採りに行き、見分け方や採り方を教えてもらいます。その時に手をつないでドキドキしたり…というのはお約束ですね＾＾

野草摘みや山菜採りというのは、宝物探しのようなわくわく感がありますよね。物語の中でも、さやかが、イツキに「採りすぎないでね」と言われているのに、「脳内麻薬出た」と言ってついついたくさん採ってしまったというの、私も分かります。しかも好きな男の子と一緒なんて～こんな楽しいことあるでしょうか(笑）
そして家に帰って一緒に料理…と言っても、さやかは料理が苦手で、ほとんどイツキが作っています。下ごしらえの仕方から料理の手順まで、これ見て作れるくらいに丁寧に書かれています。かわいくて優しく、思いやりのある男の人が、自分のためにおいしい料理を作ってくれる…なんて素敵なシチュエーションなのでしょう！その上お弁当まで作って持たせてくれます。家に一人こんな人がいればなあ～って興奮しすぎですね＾＾；

よしながふみさんのマンガ「きのう何食べた？」を思い出しました。こっちは男同士でしたが＾＾；でも、好きな人のためにおいしい物を作って、一緒に食べる幸せというのが共通だな、と思います。
イツキのような人を文字通り草食系男子、っていうんじゃないでしょうか(笑）もしかして有川さんもこの言葉から発想を…？そうなると「ナニコレ」に出てるあの人も草食系男子…＾＾；(違

一緒に日々を過ごすごとに２人の距離は縮まっていきます。ラブラブな出来事があるたびに、こちらも胸がきゅんとしてしまうのを止められませんでした…有川さんの恋愛小説って甘々なんだけど、ツボを心得てるって感じがするのは私だけではない、と思います(笑）
最初の章で書かれていた通り、一直線のハッピー路線ではないけれど、この２人なら大丈夫！と思う安心感がありました＾＾
本編のあとにある後日談、イツキの思いが胸にせまるサイドストーリーと、最後まで読ませてくれます。
２人のことが愛おしくなってしまうこと請け合いです＾＾

最後に野草料理をレシピにしたものが親切にも載っています。幸いなことに田舎住まいなため、ちょっと散歩すれば野草は手に入ります。スベリヒユやヨモギなら庭にも。ユキノシタは昔食べたことあってとってもおいしかったなあ…今はどこかにあるかしら、って結局色気より食い気ですか＾＾；

やっぱり買って良かった一冊になりました＾＾植物や自然が好きな人、料理が好きな人、恋がしたい人、恋をしていた頃の気持ちに戻りたい人にオススメです♪

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【○o｡.こんにちゎ.｡o○】＞o(*･ｪ･*)
良かったら遊びに来てください＾＾
またきます＾＾削除

2009/8/5(水) 午後 4:35 [ 知念　美佳ん ] 返信する
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＞美佳んさん
初めまして。ご訪問ありがとうございます＾＾
もし気に入った本があったらコメント頂けると嬉しいです。よろしくお願いします＾＾削除

2009/8/5(水) 午後 8:21 ねこりん返信する
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わはは、これがほんとの「草食系」だ！！ねこりんさん、うまいですねえ（笑）。自分は昔、つくしなら摘みに行った事があるんですが、おばあちゃんが調理したのであんなに大変だったとは知りませんでしたね＾＾；
この本を読んでから、図書館の「植物」の棚をうろうろしてしまいました（笑）。削除

2009/8/6(木) 午前 0:58 ゆきあや返信する
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あ、私も読んでる時「これがほんとの草食系男子だよな～」と思いましたよ（笑）。可愛くて美味しくて切なくて、いろんな要素が詰まった素敵な恋愛小説でしたね～。まさしく胸キュン小説でした＾＾
ちなみに、私も↑ゆきあやさんと同じで図書館の図鑑コーナーで植物図鑑を物色してしまいました・・・（笑）。削除

2009/8/6(木) 午前 1:24 べる返信する
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＞ゆきあやさん
子供の頃、つくしのはかまとりを手伝いましたよ～大変でした＾＾；

野草も下処理が大変な物と、簡単に食べられる物とがあるって、この本を読むとよく分かりますね。
身近な草花に目が向くようにもなる、素敵な恋愛小説でした＾＾削除

2009/8/6(木) 午前 9:27 ねこりん返信する
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＞べるさん

べるさんも思われましたか～（笑）普通の恋愛物ならこれほど心を動かされなかったと思いますが、野草摘みと料理を絡めたシチュエーションがいいですよね＾＾
本によれば、夏は野草のシーズンではないようですが、思わず自然の中に飛び出して行きたくなりますね＾＾削除

2009/8/6(木) 午前 9:45 ねこりん返信する
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野草の名前が言える特技、凄いですね！

読了後は名前はわからないけど道端に生えている草花を何となく見るようになりました。

有川さんってホントに女の子がキュンとなるツボをよく心得てらっしゃいますよね～(＾＾）
癖になるというか…恋愛小説としては王道な筈なのに
ついついあのトキメキを求めて読んでしまいます。
ＴＢさせていただきます。削除

2009/8/6(木) 午後 8:49 [ - ] 返信する
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＞うららさん
名前が分かるって、単純だけどけっこう楽しいですよ＾＾
ほんとに、有川さんの小説って、「トキメキ」がありますよね♪ 削除

2009/8/7(金) 午後 5:53 ねこりん返信する
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きゃ～～～！！なんなんだ、この胸のときめきは～～～ってくらいに甘あまでしたが、ツボです。完全にさやかに感情移入して読んでしまいました。「巡る季節」では号泣～～。わたしも春になったら野草摘みに出かけたくなりました。

草食系男子、たしかに～（笑）ねこりんさん、うまいっ！！

TBさせてくださいませ～♪ 削除

2009/8/12(水) 午後 10:48 TEA♪ 返信する
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＞ＴＥＡ♪さん

この本を読むと、きゃ～～！って言いたくなりますよね（笑）それぐらい女性のツボにはまる作品でした＾＾
私も泣きましたよ～。それは最後の「午後三時」でイツキが泣くシーンです。イツキの思いにグッと来てしまいました。削除

2009/8/13(木) 午前 1:21 ねこりん返信する
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図書館で借りて読み終えた次の日、本屋へと買いに走りました＾＾どこもかしこもキュンキュンし放題！贅沢な作品ですよねー(笑)
意外にうちの庭にはあるんですよ、ここに出てきた植物たち。草取りのたびにグイグイ抜いていましたが、今ではちょっとだけ愛しくなりました(それでも伸びすぎたら抜くけど＾＾；)
ＴＢさせて下さいね♪ 削除

2009/8/28(金) 午後 11:13 紅子返信する
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＞紅子さん

これは手元に置きたい本ですよね～＾＾開くたびにときめきが感じられる気がします♥

草を抜く時もイツキのような人と一緒なら楽しそうですね＾＾削除

2009/8/29(土) 午前 1:16 ねこりん返信する
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ねこりんさんがイツキ的な感じがありますね^^
表紙裏や巻末の写真やレシピも見るだけで楽しめます。削除

2009/12/30(水) 午前 1:03 [ アル・アル ] 返信する
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＞アル・アルさん

イツキほどこまめではないですが…何だか嬉しいです＾＾
本文以外にもお楽しみがたくさんあってお得感満載の本でしたね♪ 削除