神様のカルテ  夏川草介

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翔くんと宮崎あおいちゃん主演で映画化のこの作品、見る前にぜひ読みたいと思っていました。公開はまだまだ先ですが…。

読み始めて驚いたのが、主人公のイチこと栗原一止のキャラクターです。予想してた感じと違ってました。やっぱりつい翔くんをイメージしてたので。漱石の「草枕」を愛読しているということで、口調が時代がかってます^^;モリミーの文体に似てます。話のテンポもどことなく似てます。友人の医師の砂山次郎もモリミーの小説に出てきそうなキャラです。映画では要潤さんが演じているのがびっくりです^^;

でも、一止と榛名の夫婦仲の良さがとてもかわいらしいのです。榛名がとても愛らしくて、出てくるたびに、一止が感じるのと同じようにホッと心温まるような感じがします。病院で人が亡くなったり、激務で寝る時間もない過酷な日常が描かれていながら、それが深刻になり過ぎないのは彼女のおかげも大きいように思います。

御嶽荘に集う男爵や学士といったキャラも魅力的です。この二人にまつわるエピソードはとても好きでした。特に桜のシーンには感動しました。映画でこの桜のシーン、ぜひ見てみたいです。

安曇さんのエピソードは、実際に地域治療に従事する作者の一番書きたかったことなのでしょう。延命治療において医師が逡巡するその思いが、決して大げさではなく静かに浸透するように伝わってきました。医者とすれば、やはり命を救うことが第一なのでしょうが、残りの時間を患者の望みを叶えて幸せに過ごさせてあげること、それも必要なことなのだと思いました。自分がその患者でもきっとそう願うと思います。安曇さんの手紙には泣かされました…;;それまで「いちいちの死に涙を流してなど…」と思っていたイチの涙にもじんとさせられました。

映画の予告を見ると翔くんの口調はごく普通でしたが、気持ちがこもっている台詞だったので、普段のしゃべりはやっぱり古風なのかも?一止はこの話し方が個性なので、これははずしてほしくないなあと思います。
宮崎あおいちゃんは好きな女優さんで、かわいらしい雰囲気が榛名にぴったりだと思います。
映画楽しみです^^