天地明察  監督 滝田洋二郎

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昔の日本では、暦は中国の物を使っていたそうですが、日本で初めてのオリジナルの暦を作った安井算哲(渋川春海)の半生を描いた作品です。

原作ではおもに春海という名前の方が使われてませんでしたっけ?珍しく図書館で借りた本で手元にないのですが、読書記事の方だと春海になってるので…。
算哲という名前は世襲制なので、お父さんも算哲なんですよね。きたろうさんは算知だったので、あれはお父さんじゃなくて、家を継いだ養子の人なんでしょう。
映画ではずっと算哲なので、この感想ではこちらを使わせてもらいますね。

岡田准一くんはちょっとかっこ良すぎて、私が算哲に持っていたイメージとは違うけど、あの大きな瞳がキラキラ輝いて喜びを表すと、改暦に打ち込む情熱が観る側にダイレクトに伝わってくる気がしました。

宮崎あおいちゃんは、言うべき事ははっきりと言うけれども、笑顔で夫を支える素敵な妻を演じていました。
佐藤隆太さんが演じた、えん(あおいちゃん)の兄である村瀬も感じが良くて好きなキャラクターでした。

北極星の高度を測量する旅に同行した建部と伊藤を演じた、笹野さんと岸部さんが良かったです。原作でも算哲を支えるメンバーとして魅力的なキャラです。歩数を計って測量に役立てるために、二人で元気良く足並み揃えて歩くシーンが面白かったです。高度の予想がどちらがより近いか競争したり、算哲が見事当てると自分のことのように大喜びしたりなど、好きな事に夢中になる楽しさを感じさせてくれました。

関孝和との設問のやり取り、幾何学ばかりでしたが、流行りだったんでしょうか。そろばんだけじゃなく、算木を使ってましたね。あの頃の数学者は併用していたらしいです。
算木の動かし方、いい加減ではないはずで、岡田くんや市川さんは使い方をちゃんと習ったんでしょうね。

襲撃で焼き討ちに会うなど、原作にない派手なシーンが付け加えられていたのはどうかと思いましたが、暦が政治上でも重要な物であったことを強調するためのシーンだったのかなと思いました。

大和暦の的中が、映画のように文字通り命がけだったかは分かりませんが、全精力を大和暦に傾け、的中するかどうかが算哲の運命を左右していたことは間違いないでしょう。
日頃何気なく使っているカレンダーですが、現在の形になるまでにこんなドラマがあったと考えると、関わっていた人々に感謝と尊敬の思いを抱かずにはいられません。

なかなかスポットの当たりにくい、陰の立役者である算哲を取り上げてくれた冲方さんにも改めて感謝です^^