ポテチ  監督 中村義洋

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伊坂幸太郎さんの短編集「フィッシュストーリー」所収の書き下ろし作品の映画化です。

この本の中で一番好きな作品です
読んだ時、ラストでは泣いてしまいました

主人公の今村には濱田岳さん。大好きなキャラの黒澤には大森南朋さん。二人とも中村映画にはおなじみの役者さんです。

今村はのんびりとしたお人好しキャラですが、万有引力の法則など、誰でも知ってる法則や定理を自ら発見してしまうというユニークさで、もしかしたら天才なのかも知れません^^;
プロ野球チーム仙醍キングスのファンで、補欠である尾崎選手を熱心すぎるほど応援しています。
仙醍キングスは、伊坂さんの「あるキング」でも出てきましたね^^

黒澤は泥棒で、つかみどころがない人物なのですが、「人の気持ちが分からない」というわりには、ちゃんと人の気持ちを考えて行動してるように思います^^
美人局の2人組をおどす時の「今日は大安だし、朝のテレビの占いでも『人に優しく』と言っていた」いう台詞が好きです
何となくユーモアがある人なんですよね^^本人は意識してないと思いますが(笑)
大森さんの黒澤は、最初はどうなの?と思ってましたが、だんだん違和感なくなってきました。

今村のボスである中村。映画では中村監督本人が演じてました。原作も中村で、容姿も監督と似てるし当て書きなんでしょうか。
原作では中村は「フライを捕るのが上手」ということでしたが、映画では「一度もフライを捕れたことがない」に変更されていました。それが、エンドロール途中のあのシーンにつながるとは、さすがです

大西(今村の恋人)が、ポテトチップスを食べて言った台詞は原作で一番肝心な台詞ですが、これを聞いて今村が涙を流すシーン、良かったです^^濱田さんはこの役にぴったりだなと思いました。

そしてラストシーン、結末がどうなるかは分かってるのに、やっぱり泣いてしまいました。
原作読んだ時も、結末の予想はできたんだけど、大西の台詞に泣かされました
ラストの台詞、大好きです^^
もしかしたら、野球が好きな人ならより感動できるかも知れません^^

68分という短さで、特に大きな事件があるわけではなく淡々と進むストーリーだけど、最後にはじんわりと来る感動があります
いい映画でした