貴族探偵 対 女探偵  麻耶雄嵩

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自分では事件を解決せず、使用人が解決する「貴族探偵」シリーズ第2弾です。ユニークな設定に本格派の推理が楽しめるお気に入りのシリーズです。
今回は高名な探偵の弟子である高徳愛香を主人公として、貴族探偵と対決という形式になっています。

シックな色合いに金の箔押しという装丁も、前作を引き継いでいます。文庫では変わっていたので、単行本の高級感ある装丁の方が物語に合っている気がします。

愛香が事件現場に赴くと、なぜかそこには貴族探偵がいて、彼に挑発されつつ事件を調査することになります。
相変わらず気障で女性のことしか考えていないのですが、少しは推理能力もあるのでしょうか。毎回自分が愛香から疑われているので、自分が犯人じゃないことだけははっきりしてるでしょうが^^;

それにしても、貴族探偵の使用人達はみんな凄い推理力で、そのために集められたメンバーなんでしょうね。現場を見る前に犯人は分かっているようなので、探偵からの話だけで推理を組み立てている安楽椅子探偵揃いです。これだけメンツがそろっていれば、愛香に勝ち目はなさそう…^^;

愛香が自分で真相に到達できればいいんですが、どういうわけか推理の行き先はいつも貴族探偵の方に…。意識しすぎってわけじゃなく、ちゃんと推理した上でのことなので、ショックも大きいですよね。
でも、事件のたびに会ってて、そろそろこの人は関係ないって気づきそうなものですが。
少しは愛香にも活躍してほしいと思っていましたが、最後にその機会がついに巡ってきます。でもその結末は?
この最後の一編「なほあまりある」が一番気に入りました。

相変わらず貴族探偵自身のことは全然分かってないので、続編あっても明らかにされそうにない感じです。少しは情報あると嬉しいです。