ゴーン・ガール  監督 デビッド・フィンチャー

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結婚記念日の日、ニック(ベン・アフレック)が帰宅してみると、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)はいなくなり、部屋が荒らされていました。
ニックは警察に連絡し、報道機関を使ってエイミーの捜索の協力を呼びかけますが…。

ニックが犯人なのかそうでないのか?ということを中心にストーリーは進みます。
でも、これについては半ば辺りではっきりしてしまって、その後の展開がどろどろし過ぎて怖いです。
このあとネタバレありますのでご注意下さい
 
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この夫婦、仮面夫婦にもほどがあるというか
ニックは妻を愛していると口では言いながら、浮気をしているし、エイミーは良い妻なのは演技で、本当のサイコパスでした。
エイミーの行動は、自分をないがしろにした夫への復讐でした。
始めは、夫を犯人に仕立てて自分は姿を消すという計画だったのに、潜伏先でお金を盗られてしまい、すぐに方向転換します。自分に執心する男を利用するところがあくどいです。
エイミーは、母親が童話作家で、童話の主人公のモデルとして子供の頃から注目され、その主人公といつも比較されて来たことで息がつまっていたんですね。
だからと言って全く同情はできませんが…

もう一つ、この映画で大きな役割を果たすのは報道です。
ニックを犯人と決めつけたニュース番組のせいでニックと妹は生活を脅かされます。
弁護士は報道と視聴者を味方につける計画を立てます。それはうまく行ったかに見えましたが…。
結局報道を上手く利用したエイミーにしてやられましたね。しかも女の武器を最大限に利用したそのやり口に唖然です。

それにしても…ニック、それでいいの?!と問いかけたくなります。
相手は目的のためには手段を選ばないサイコパスで殺人さえ犯してるのです。それを全部知っていながら、自分の子供を宿しているという理由で一緒に暮らしていけるなんて信じられません。
彼女の犯罪を立証しようと思えばできたと思います。不適格者として親権をニックが取ることもできたはずなのに…結局、妹が言うようにエイミーにまだ未練があるんでしょうか。
いかにもフィンチャー監督らしいというか、すっきりしない結末でした。
安倍首相は2日にご家族で観に行かれたそうですが、新年から家族で観るような映画ではないことは間違いないです^^;

ベン・アフレックは、どこにでもいる情けない男を演じているわけですが、平凡でしかも人をなんとなくイライラさせる雰囲気を出しているところが上手いのかも。
ロザムンド・パイクはこの役で様々な主演女優賞を総なめにしています。ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされていますが、どうなるか楽しみです。