2014-01-01から1年間の記事一覧

もっと厭な物語(アンソロジー)

「厭な物語」は海外作品ばかりでしたが、続編は、日本の作品が四編入っています。 「『夢十夜』より 第三夜」 夏目漱石 「こんな夢を見た。」から始まる、有名な短編集です。子供を背負って歩く父親が背負っているのは、実は彼の業なのかも。山白朝子(乙一)…

ばけもの好む中将  瀬川貴次

著者の瀬川貴次さんは、ホラー作家の瀬川ことびさんです。歴史物もいろいろ書かれていますが、これは私の好きな平安物の連作短編集です。 右大臣の子息である左近衛中将宣能(のぶよし)は、才色兼備で宮中の花形です。しかし、彼には「ばけもの好む中将」と…

藁の楯   監督 三池崇史

幼女連続殺人事件の犯人である清丸(藤原竜也)は、二人目の被害者の祖父である蜷川(山崎努)から、「この男を殺せば十億円」という懸賞金をかけられます。 仲間から裏切られてけがを負った清丸は、恐れをなして逃亡先の福岡で出頭します。 福岡から東京ま…

ロング・グッドバイ  レイモンド・チャンドラー

ドラマが思いがけず面白くて、原作(村上バージョン)を先に読み終わろうとがんばりましたが、結局最終話をキープして、ようやく読み終わりました。ドラマも先ほど終了。 もともとハードボイルドが苦手で…。男の美学っていうのが理解できなくて^^;でも、…

珍しい本 part2

先日福岡のTNC会館で開かれていた古本市に行ってきました。 老舗の古書店さんなのですが、すごく古い雑誌や単行本から最新作まで、幅広い品揃えでした。 ミステリやSFの掘り出し物はないかな?と探して見つけたのがこの2冊。 「毒薬ミステリ傑作選」の…

化学探偵Mr.キュリー  喜多喜久

四宮大学理学部化学科の准教授沖野春彦が、化学に関わる事件を解決します。 こういう理系ミステリーって好きです。ガリレオぽいなと思って手に取ったのですが、けっこう共通点あります。 ・大学の准教授。 ・事件や謎を持ち込まれて、始めは迷惑そうで全然乗…

山崎まさよし SEED FOLKSツアー in 防府

昨年クリスマスイブの下関に引き続き、3日、SEED FOLKSライブに娘と参加してきました。 前回はアルバム「FLOWERS」がまだ出ていなかったこともあり、ヒット曲や懐かしい曲など昔からのファンには嬉しいセトリでした。 今回は「FLOWER…

箱庭旅団  朱川湊人

幻想的な掌編を集めた短編集…と思いきや、帯には「連作短編集」の文字が。 これら十六の物語が、どのようにリンクしていくのかが気になりました。 物語のテイストも舞台もそれぞれ違い、とてもリンクするようには思えなかったのですが…。 「旅に出ないか」は…

そらみみ植物園  西畠清順

世界中を旅するプラントハンターである西畠清順さんが見つけた、珍しい植物を紹介した本です。 こういう本は写真が普通だと思うのですが、これはイラストです。写真も少しだけありますが、風景や、大自然の中に立つ西畠さんの姿だったりします。 でも、イラ…

石の猿  ジェフリー・ディーヴァー

アメリカに密入国する中国人を斡旋する蛇頭の“ゴースト”は、沿岸警備隊に見つかり船を沈めます。自分の顔を知った密航者たちを抹殺するために、上陸した人々を追います。 情報を得たライムとサックスは、密航者を守り、ゴーストの居場所を突き止めようとし…

Every Little Thing  FUN-FAREツアー in 山口

初のEvery Little Thingのライブに行ってきました。 娘は嵐ファンなのですが、いつの頃からかELTも好きになりました。ELTと言えばどちらかというと親の年代で、中学生にしては珍しいです。娘周辺では、ELTって何?っていう友達もいるようで(笑) …

珍しい本

久しぶりに、昔からある個人経営の古本屋さんに行ってきました。 そこで見たことがない本を発見しました。 創元推理文庫、1979年初版「魔術ミステリ傑作選」(オットー・ペンズラー編)です。 奇術や魔術とミステリの融合といえばまず思いつくのがプリー…

目白台サイドキック 女神の手は白い  太田忠司

軽妙なコンビミステリが読みたいと思って読み始めましたが、思いの外重かったです。 細いチェーンで首を絞めた後、手首を切り落とす連続殺人が起きます。 これは、以前起こった解決済みの事件に酷似していました。犯人はすでに自殺しているのに関わらず…。 …

ダ・ヴィンチ 伊坂さん大特集

先日、「首折り男のための協奏曲」を読んだばかりで、今回の「伊坂幸太郎大特集」は嬉しい内容でした。 ・「首折り男~」のインタビュー 私が好きな「僕の舟」と「合コンの話」について語る中で使われた比喩がまた伊坂さんらしくて^^ 短編同士のリンク図が…

首折り男のための協奏曲  伊坂幸太郎

タイトルから、首折り男の連作短編集なのかなと思っていましたが、首折り男が出ない作品もあります。「首折り男の周辺」と「合コンの話」は既読でした。 「首折り男の周辺」 よく似た男の片方は殺し屋、片方は気弱な男…。この2人の関わりと、2人に関わった…

鏡の国の殺人(野性時代連載)  貴志祐介

防犯探偵榎本径シリーズ最新話です。ようやく完結しました。 始めは上・下かなと思っていたのが、あれ、上・中・下? ついに上・中・三・四に(笑) でも、長くなったぶん、なかなか読み応えがありました。 原作では、榎本が館長に頼まれて美術館に忍び込む…

笑うハーレキン  道尾秀介

ホームレス生活を送る家具職人の東口の元に、助手にしてほしいという女性奈々恵が現れ、ホームレス仲間と共に、生活するようになります。 やがて仲間の1人が亡くなり、東口たちも事件に巻き込まれることに。 印象としては、「カラスの親指」に似ています。…

ホビット 思いがけない冒険  監督 ピーター・ジャクソン

「ホビット 竜に奪われた王国」が近日公開ということで、見逃していた前作をようやく観ました。 「ロード・オブ・ザ・リング」の60年前。「ロード~」の主人公フロドの叔父、ビルボ・バギンスが、ドラゴンによって奪われたドワーフの王国を取り戻す旅に出…

貴族探偵 対 女探偵  麻耶雄嵩

自分では事件を解決せず、使用人が解決する「貴族探偵」シリーズ第2弾です。ユニークな設定に本格派の推理が楽しめるお気に入りのシリーズです。 今回は高名な探偵の弟子である高徳愛香を主人公として、貴族探偵と対決という形式になっています。 シックな…

シー・ラブズ・ユー  小路幸也

バンドワゴンシリーズ第2弾です。ドラマであったエピソードが中心ですね。 2冊目になると、堀田家にすっかりなじんで、登場人物が多くてもとまどわずに読めるようになりました。もちろんドラマのおかげもありますが。 今回は冬のエピソードから始まってい…

アルモニカ・ディアボリカ  皆川博子

夢中になって読んだ「開かせていただき光栄です」の続編、出てすぐに買ったのですが、諸事情あってやっと読み終わりました^^; 天使のような格好で見つかった遺体。その胸には「ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ」の文字が…。 盲目…

500円で買った本&単行本考察

ぶくおふで、単行本500円セールをやってたので、ここぞとばかりに買ってきました。 「解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯」 ウェンディ・ムーア 「開かせて~」を書くために、皆川さんが参考にされたという本です。 買うには躊躇するお値段なので、今回…

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主  監督 スティーヴン・ソマーズ

まだ公開前ですが、GYAOで本日限定配信ということを知って観てみました。 原作はディーン・クーンツ。ホラーをよく読んでいた頃、はまってた作家さんです。「ライトニング」や「ウォッチャーズ」などの名作から、「雷鳴の館」「戦慄のシャドウファイア」…

WORLD WAR Z  監督 マーク・フォースター

テレビのCMで、壁を乗り越えるゾンビが崩れ落ちてくる映像が迫力だった、世界中にゾンビが蔓延するパニックアクションホラーです。 元国連調査員のジェリー(ブラッド・ピット)が家族と一緒に車で渋滞に巻き込まれている時、トレーラーの暴走、爆発が起き…