2010-01-01から1年間の記事一覧

エデン  近藤史恵

「天地明察」と前後して予約し、待ち人数も同じだったのですが、こちらの方が先に回ってきました。 自転車ロードレースの1シーンをとらえたこの表紙、「サクリファイス」を読む前の自分だったらまず手に取らなかったでしょう。それほど前作に魅了され、全く…

プロムナード  道尾秀介

道尾さんの初エッセイ集です。「月の恋人」と並んでいたのですが、キムタクの顔がちらついてどうも読む気になれず、エッセイ集の方を買いました。「月の~」は中古か文庫になったら読もうかな…。 ブログに載っていた話題もいくつかありましたが(領収書の話と…

南の子供が夜いくところ  恒川光太郎

日本独特の雰囲気漂う幻想譚が特徴の恒川さんですが、これは珍しく南国の架空の島トロンバス島を舞台にした連作短編集です。表紙の、フルーツをいっぱい頭に乗せたキツネザルと灯りのような赤いキノコがいいです。 現在恒川さんは沖縄に住んでおられるそうな…

幻影師アイゼンハイム  監督 ニール・バーガー

スティーヴン・ミルハウザーの短編集「バーナム博物館」所収の「幻影師、アイゼンハイム」を映画化した作品です。主役のアイゼンハイムを、演技派のエドワード・ノートンが演じています。 舞台は19世紀末のウィーン。家具職人の息子エドゥアルドは伯爵令嬢…

忘れていた本

代金引換で荷物が届きました。本らしいのですが、代引で買った覚えがありません。 「ちょっと開けてみたら…まずいですよね?」 「開けたら返品できませんよ。法律で決まっています。」(冷たく) 「そうですよね…」(当たり前か…)←バカ^^; 何を頼んだのか…

若葉の季節にやってきた本

5月の休日に少しずつ買い貯めた本をご紹介。今回はかなりユニークなラインナップです。 まず新刊です。 「里山の少年」(文庫) 今森光彦 私の好きな昆虫写真家の今森さんが里山の自然と人の関わりについて描いたエッセイです。写真も多く載っていて、とても…

うさぎ幻化行  北森鴻

突然世を去った最上圭一は、優秀な音響技術者でした。彼は「うさぎ」宛てに遺書と、日本の音風景100選を録音したメッセージを遺していました。彼に「うさぎ」と呼ばれかわいがられた義妹のリツ子は、メッセージに込められた思いを知るために、音を訪ねる…

ドラマの話

久しぶりにドラマの話をしたいと思います。 まずは楽しみにしているドラマから。 「龍馬伝」 真っ先に大河ドラマが来るとは~ですが、福山龍馬が魅力的なんですよね。大らかな感じが龍馬らしくていいです。大森南朋さんも存在感あるし、いまだに汚いまんまの…

オー!ファーザー  伊坂幸太郎

高校二年生の由紀夫は6人家族。母一人子一人に、4人の父親が同居しているのです。誰かが本当の父親なのは間違いないのですが、父親たちがDNA鑑定を嫌がっているため、本当のところは分からずじまいです。 ある時父親の一人とドッグレースに出かけ、盗み…

桜宵  北森鴻

ビアバー香菜里屋のマスター工藤が、客が話した謎を解くシリーズ2作目です。ていうか北森さんの作品2作目です。まだ2作目なの?という声があちこちから聞こえてきそう…^^; 「十五周年」 タクシー運転手の日浦は、乗せた昔の知り合いから「十五周年記念…

花紀行

3日、4日と、広島の世羅町に花を見に行ってきました。きっかけはうちに届いた電力会社のパンフレットでした。表紙に一面の芝桜の花畑の写真があって、「これは行くしかない!」と^^ まず尾道市まで新幹線で行き、そこからレンタカーで世羅町まで行きまし…

GW初日はいつもの場所

皆さん、ゴールデン・ウィークはいかがお過ごしですか?知り合いの中には11連休といううらやましい人もいるのですが、私は暦通りの5連休です。ちゃんと暦通り休めるだけでもありがたいですね。 さて、初日ですが、お約束といいますか古本屋巡りに行ってき…

叫びと祈り  梓崎優

海外の動向を分析する雑誌の取材のため世界中を巡っている斉木が、その国で出会う事件や謎を解明する物語です。 これはすごい作品ですね。新人さんとは思えないくらいです。その土地の空気まで感じられる美しい描写、その国であることを生かしたトリックと動…

アリス・イン・ワンダーランド  監督 ティム・バートン

19才になったアリスが、再び地下(アンダーランド)のワンダーランドへと旅をします。 アリスは園遊会で自分の婚約が仕組まれていることを知ります。「時間を下さい」と言ってその場を逃れたアリスは、偶然見かけた白ウサギの後を追いかけて穴の中へ…。 ア…

道尾さんが

道尾さんが、5月10日スタートの月9ドラマ「月の恋人 ~Moon Lovers~」の原作を書かれたそうです。主演は木村拓哉さんと篠原涼子さん。 ミステリ好きの間では知らない人のない道尾さんですが、一般的にはまだ知名度がそれほど高いとは言えないような気が…

蝦蟇倉市事件2(アンソロジー)

架空の街蝦蟇倉を舞台に起こる不可能犯罪を描いた競作アンソロジーの第2弾です。 前作は道尾さんや伊坂さんの作品でおおいに楽しませてもらいました。今回は北山さんや米澤さんの名前があり、期待大でした。 「さくら炎上」 北山猛邦 たった一人の友人陽子…

クヒオ大佐  監督 吉田大八

ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐と名乗った実在の結婚詐欺師を堺雅人さんが演じています。 「アメリカ空軍パイロットでエリザベス女王の親類」という経歴をまことしやかに語ってはいますが、全く英語は話せない純日本人です^^;でも、話術が巧みで、…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人  万城目学

かのこちゃんは元気な小学一年生の女の子。マドレーヌ夫人はその飼い猫でアカトラです。それぞれの日常と、出会いと別れを描いた作品です。 センスの良い装幀はクラフト・エヴィング商會です。 はじめの猫集会のシーンにまずにんまり^^まるで有閑マダムの…

小倉の一日&本の収穫

北九州市の小倉に行ってきました。今まで何度も行った所ですが、今回は日帰りということもあり、迷わずに行ける所にしました。 店の開く10時頃に到着して、真っ先に駅前の井筒屋コレットへ。寒かったので、日が高くなるまで暖かい所で過ごすつもりでした。…

今年の4月3日は

今日は○回めの誕生日です昨年は平日だったので当日は何もできず、次の日にフランス料理を食べに行きました。 今年は運良く休みなので、ちょっと遠出することにしました日帰りなのですが、他県へのお出かけはひさびさなので楽しみです^^ もちろん本はバッ…

光媒の花  道尾秀介

人間の心の奥底を描いた連作短編集です。前の話の登場人物があとの話では主人公になっていたり、ちらりと顔をのぞかせたりしています。 表紙がとても美しいので、つい手に取りたくなる本です。 「隠れ鬼」 印章店の店主は、認知症になった母親が描いた笹の絵…

新刊ラッシュ!そして古本も

年度末進行も終わり、少しの間ですが本をじっくり読める時間がとれるようになりました。久しぶりに本屋へ行くと、道尾さんと伊坂さんの新刊が…!確か前も相次いで出ていたように思います。 「光媒の花」 道尾秀介 とにかく表紙が美しくて、それだけでもう買…

DINER  平山夢明

危ない儲け仕事に手を貸したオオバカナコは、殺し屋に捕まって殺されそうになりますが、間一髪助かって、殺し屋専門のダイナー(定食屋)「キャンティーン」で働くことになります。 舞台は東京なのですが、雰囲気はどう見てもアメリカです。暗黒街での抗争の…

南極料理人  監督 沖田修一

海上保安庁で調理を担当している西村は、南極に行くはずだった隊員が事故で行けなくなってしまったその代わりに、ほとんどむりやり南極に行くことになります。個性的な男8人の中で、趣向を凝らして料理を作る日々が続きます。 西村たちが滞在したドームふじ…

ここに死体を捨てないでください!  東川篤哉

人を殺してしまったと妹から連絡を受けた香織は、死体を何とかして処分しようと思い、たまたま目についたコントラバスケースを運搬していた鉄男にむりやり協力させることに。一方で、探偵の鵜飼は約束していた依頼人がいっこうに現れないため、留守電に残さ…

春の陽気に誘われて買った本

最近遠出することもなく仕事に明け暮れていたのですが、せっかくの三連休、一日くらいは遊びに出ようと思って本屋&古本屋巡りに行ってきました^^暑いくらいの陽気で、ちらほらと桜の花も咲き始めていました まずは新刊です。 「蝦蟇倉市事件2」 (アンソ…

私の家では何も起こらない  恩田陸

「幽」連載の、丘の上に立つ幽霊屋敷をテーマにした連作短編集です。私は最初は日本が舞台だと思って読んでいたのですが、小道具の数々を見るとどうやらイギリスのようです。 「私の家では何も起こらない」 以前叔母が住んでいた家に住むことになった作家の…

春一番の到着本

仕事が忙しい時期に入り、全然本が読めていません;;時間がないわけではないのですが、本を読んでいると眠くなるのです>< こたつで寝ないために、眠気がきたらすぐに布団に入ることにしたので…。でも恩田さんの本はこの休みに読んで必ず記事UPしたいで…

壊れやすいもの  ニール・ゲイマン

幻想小説やホラー、SFや詩、ジャンル分け不能の作品まで、ゲイマンの才能の井戸をのぞき込むような短編集です。初ゲイマンだったのですが、「アナンシの血脈」「アメリカン・ゴッズ」等の長編の噂で思っていたのとはまた違う印象を持ちました。映画化され…

フルーツ・ハンター  アダム・リース・ゴウルナー

世界中の珍しい果物を紹介しながら、実際に食べた経験、歴史や文学上の果物や、果物の流通などを通してその魅力について語った本です。 この本には、著者を始め、まさに「果物に取り憑かれた」人々が出てきます。著者はジャーナリストで果樹栽培者ではありま…