2009-01-01から1年間の記事一覧

宵山万華鏡  森見登美彦

京都の祇園祭宵山の夜に迷い込んだ人々を描いた連作短編集です。他の登場人物にスポットを当てることで同じ宵山の夜を別の角度から見ることができます。この物語自体がタイトル通り万華鏡なんですね。 遥か遠い京都の地で行われるこのお祭りのことをほとんど…

魔王 JUVENILE REMIX  伊坂幸太郎&大須賀めぐみ

伊坂さん原作の「魔王」と「グラスホッパー」をリミックスした作品です。テーマは「魔王」ですが、それに「グラスホッパー」の登場人物を配して、非常にダイナミックな作品に仕上げています。ずっと展開を楽しみにしてきましたが、この夏ついに最終巻10巻…

ホルモー六景  万城目学

「ホルモオオオォォォーッッ」の衝撃も覚めやらぬまま、「ホルモー六景」へと進んでます^^ 続編なのかと思ってましたが、いわば番外編で、ホルモーにまつわる六つの物語です。前作の登場人物が出てくる話もあれば、思いもよらない人が出てくる話も。 プロ…

花と流れ星  道尾秀介

真備シリーズ短編集です。シリーズ作品一気読みもいよいよ最後に。道尾さんの作品もこれでコンプリートです^^ 霊現象探求所を開いている真備庄介と、友人のホラー作家道尾、真備の助手凜の三人が関わった事件や出来事をめぐる物語です。 今回も霊現象の探…

骸の爪  道尾秀介

真備シリーズ第二弾です。 取材のために仏所瑞祥房を訪れたホラー作家の道尾は、笑う千手観音と頭から血を流す仏像を見ます。また、「マリ…」という謎の言葉も耳にします。道尾から相談を受けた真備と助手の凜の3人で再び瑞祥房に向かいますが、仏師が姿を…

背の眼  道尾秀介

「花と流れ星」を読むために、前二作「背の眼」「骸の爪」をおさらい(「骸~」は未読)してからにしようと読みました。最近の洗練された内容と比べてやや冗長な感じは否めませんが、これがデビュー作だと考えるとなかなかの大作です。 たぶん読んだ人の多く…

いつの間にか

先日yahooアバターに行ってみたら、「あなたのポイントで買えるのは…」という見慣れないコーナーがありました。よく見ると、いつの間にかyahooポイントが貯まっていました。調べてみると、夏にyahooトラベルから旅行予約をしたのですが、その分のポイントが…

夏の反省&8月の本

夏が終わりますね~。毎年思うのは、思ったより本が読めなかったということです。前半はいい調子だったのですが、だんだんと時間がうまく使えなくなりました。 SF&秘境ものに挑戦する予定でしたが、読んだのはSFだけでした。あと、上下巻あるような長編…

村田エフェンディ滞土録  梨木香歩

「家守綺譚」にもちらっと名が出てくる村田が、文化の研究のため土耳古(トルコ)のスタンブール(イスタンブル)に留学した日々を描いています。「エフェンディ」というのは学問を修めた者に対する敬称だそうです。明治時代なので、外国語名は全て漢字表記で…

鴨川ホルモー  万城目学

遅ればせながら、ようやく読みました~。文庫版の表紙だとチョンマゲ高村が主役みたいに見えますね^^;でも、映画版の帯がついてたので、山田孝之さんがチョンマゲじゃないから分かりましたが。 京都に千年続くという、「ホルモー」。それを受け継いで来た…

家守綺譚  梨木香歩

時はたぶん明治時代、亡くなった友人の家の管理を任された、駆け出しの物書きである綿貫が、家や周辺で出会う不思議なもの達との関わりを綴った作品です。日記という体裁なので、章ごとの改ページがなく、すぐ続けて次の章が始まるのがそれらしい雰囲気です…

夜は短し歩けよ乙女  琴音らんまる

森見さんも強力プッシュの「夜は短し歩けよ乙女」の漫画版です。古書店で少しずつ買い集め、ようやく5巻まで到達しました。 原作のストーリーとオリジナルストーリーが交互に描かれているのですが、オリジナルの部分も原作の良さを生かしたものになっている…

本からはじまる物語(アンソロジー)

本や本屋を舞台にした、数ページの掌編を集めた短編集です。トーハンの「しゅっぱんフォーラム」という雑誌に連載されていたものだそうです。 作家さんのラインナップが豪華です。 (恩田陸、本多孝好、今江祥智、二階堂黎人、阿刀田高、いしいしんじ、柴崎友…

夏への扉  ロバート・A・ハインライン

夏休みSF名作シリーズ!と勝手に銘打っているこの夏の読書ですが、前から再読したかった「夏への扉」をようやく読みました。細部はかなり忘れていたので、新鮮な気持ちで読めました。 猫のピートと暮らす発明家のダンは、恋人と親友に裏切られ、発明を取り…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?  フィリップ・K・ディック

私設図書館にあったはず…と探しに探してとうとう見つけることができず、100円で買ったこの本です。表紙はリアルな羊さんバージョンのを手に入れることができたので、まあよしとします^^;やっぱりなくす前に読む、これですね^^; 最終戦争後、死の灰…

ルコウソウ

毎年朝顔を植えているのですが、5月にホームセンターに行ったところ、ルコウソウ(縷紅草)の苗を見つけました。前から一度植えてみたいと思っていたんです♪ もうだいぶ売れていて、残り5本しかありませんでした。プランターの残りスペース1本分は朝顔を…

道尾さんのブログで

道尾さんのブログに行ってみたところ、「CREA」の9月号にインタビューが載っているという記事が出ていました。 今年も読書特集をしているようです。昨年の読書特集はとても読み応えがあったので、今年も買ってみようと思います。 そのインタビューで質…

ひさびさにグリムス

先日ゲストブックのグリムスを見たら、ピンクのスライムのような生き物が来ていました。 何のキーワードが当たったのかなと思って、グリムスのサイトに行ってみると、「みずのがっこうタイアップキャンペーン」というのをやっていました。 どうやら、スライ…

植物図鑑  有川浩

ある日さやかは家の前で、空腹で行き倒れた青年に出会います。 「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか」 犬のようにぽんと前足ならぬ丸めた手を乗せた面白さに、つい家に連れて帰ってしまいます。翌朝彼が作ってくれた朝ご飯に感動して、さやかは同…

ゴールデン・フリース  ロバート・J・ソウヤー

宇宙旅行都市計画の一環として、47光年離れた惑星コルキスをめざす宇宙船「アルゴ」。アルゴを統御しているコンピュータ「イアソン」は、科学者のダイアナを死に追いやります。いったい何のために?ダイアナの元夫アーロンは、彼女の死に疑問を抱き調査を…

7月買った本

「読書の夏」の記事を書いてから、読み終わった本が5冊です。普段よりはハイペースだと思うのですが、先日の記事で書いた私設図書館の整理を少しずつ始めているので、思ったよりも読書ははかどっていない状態です^^;でも、長い休みも来ることだし、まだ…

訪問者  恩田陸

実業家だった朝霞千沙子に育てられた映画監督峠昌彦の急死を機に、千沙子が建てた古い洋館には、千沙子の兄弟たちが集まっていました。 そこに、次々に新たな訪問者が訪れます。昌彦の父親探しを中心に、千沙子や昌彦の死の謎も絡んできます。届いた「訪問者…

龍神の雨  道尾秀介

西日本を中心に大荒れの天気で、被害も多く出ていますね。この時期に、ほとんど太陽の顔を見ていないのは夏休みらしくないです。 そんな気候にぴったり?の一冊、「龍神の雨」です。この物語の最初から最後まで、まるで「ブレードランナー」のように雨が降り…

本を探す&買う話

先日、私設図書館にあったはずの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を探して、とうとう見つからなかったことを書きましたが、結局古書店で100円で買いました^^;わざわざ買ったんだから、この夏絶対読むぞ!と決意を新たにしました。 そしてきのう…

星を継ぐもの  ジェイムズ・p・ホーガン

月で見つかった遺体は、5万年前のものだった―。チャーリーと名付けられたその遺体は全く人間と同じ特徴を備えていました。しかし、未知の技術を使った装備、手帳に書かれた異なる言語などが発見されます。チャーリーの正体を解明するために、各分野第一人者…

パラドックス13  東野圭吾

p-13という謎の現象によって、誰もいなくなった東京に残された数人の人々。度重なる地震と大雨により、建物は倒壊し地面は陥没していきます。そんな中、協力して何とか生き延びようとする姿を描いています。 ブラックホールやタイムパラドックスというS…

読書の夏

夏休みスタートですね~。明日からの三連休で、すっかり夏休み気分の私です^^ この夏は「夏!」という感じの読書をしようと思い、秘境探検ものやSFを中心に、あと読んだことのない作家さんや、長編にも挑戦してみたいと思ってます。盛りだくさん過ぎて、…

恋文の技術  森見登美彦

大学院生の守田一郎は、京都の大学から遠く離れた金沢市の研究所に飛ばされ、そこでクラゲの研究をすることに。周りには何にもない辺鄙な場所で、退屈さを紛らわすために、京都の仲間達に手紙を送りまくります。 相手は同じ研究室の友人、研究室の怖い先輩、…

魚舟・獣船  上田早夕里

「ショコラティエの勲章」の方を先に買っていたのですが、もともとSFでデビューした作家さんということなので、こちらの作品集から読んでみることにしました。 タイトル作である「魚舟・獣舟」に最初から思いっきり引き込まれました。帯にあった「SF史に…

新刊書店にて

久しぶりにちょっと遠出をして大きな新刊書店に行きました。 夏休みに向けて、出版社も毎年恒例の文庫フェアをしてます。このフェアが始まると、もうすぐ夏休みなんだなあと思い、自分は休みでないのになんだかわくわくして来るのです^^ 私はこの小冊子を…